夕方5時半頃ホテルを出てタクシーでラス・ベンタス闘牛場へ。
タクシーのドライバーさん、私たちにはシートベルトしろっていうけど自分は高速にのるときだけしてあと外してました。
約15分ほどで到着、チップ込み12ユーロ。
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闘牛場には等級があるそうで、等級が高いほどいい闘牛がみられるそう。一級闘牛場は西班牙国内では七つあり、その中でも格式が高いのがセビージャとここマドリッドのラス・ベンタスだとガイドブックにはありました。

※闘牛は50分程度ビデオに撮ってあります(^ ^;)。
私が低い声でべらべらしゃべってたりしますが、ごらんになってみたい方がいらっしゃいましたら、コメント覧にでもカキコミしてください。
えぐいですけど・・・。(いないかそんな人・・・(笑))
父は以前スペインにきたときに地方で小さいウシで行う観光客向けの闘牛をみてガイドさんがマドリードあたりでみる本当の闘牛は全然違うんですよ、と聞いていて見てみたいなと思っていたそう。

闘牛場のまわりはお祭り騒ぎで沢山の出店がでています。私はお水と絵はがきを買いましたが父母はおみやげ物やさんでも買い物していました。
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普通は日曜日のみの開催ですが、サン・イシドロ祭りを挟んで1ヶ月ほどは殆ど毎日ここではおこなわれるそうです。この時期は闘牛士も人気の高い人たちが登場してほぼ毎日満員御礼になるとか。
サンイシドロの闘牛は5月末まで、この日はそれに続いて6日間連続で行われるラス・ベンタス闘牛場の記念闘牛の最終日でした。
この日の闘牛士はウセダ・レアル、ミゲル・アベジャン、マティアス・テヘラという人。
皆さん人気のある闘牛士だそうです。
地方闘牛なんかだと100キロ前後の若いウシでの闘牛がおこなわれることも多いそうですが、ここベンタスでは5歳前後で500キロ超のウシのみ登場するんだそう。
この日も登場したウシは535キロ、524キロ、604キロ、581キロ、523キロ、536キロ。
それに退場した551キロと623キロの8頭でした。
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アニベルサリオ(記念闘牛)のポスター

私たちの席はグラーダという上の方の席のソル・イ・ソンブラ(日向日陰席)の3。
席はソル席(日向席)、ソンブラ席(日陰席)とその間のソル・イ・ソンブラ席があって、ソンブラ席が一番いい席です。日向席だとお天気いいと暑いのとまぶしいというデメリットがあるからみたい。
ソル・イ・ソンブラは最初日向だけどあとから日陰になりますよという席。でも私たちの席は屋根のあるとこなんで最初から日陰。
ものすごーく急な配列の席で、座席は石。そのまんま後ろの人の足置き場にもなるので中に入ったら1.2ユーロの座布団をレンタルして(地元の人はクッション持参でした)それをもって座ります。ほんとうにぎゅうぎゅうに座るので、いったんはいったら簡単には出入りできません。
一度席にいってからトイレに行こうとしたら席の入り口のおっちゃんたちにどこにいくんだと止められました(^ ^;)。
トイレにいきたい(一応スペイン語で)といったらトイレか!と爆笑されまして(^ ^;)出してもらえました。競技がはじまるとキリのいいところまで途中入場もさせてもらえないんだって。
トイレはわりとキレイで、でもおばちゃんがいて1人1ユーロとられました。
出たところでサンドイッチを二つ買って席へ。
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あっ、と言う間の満員御礼。すごい風で人がいっぱいいるのに寒い?。しまったもっと温かくしてくるべきだった?。
ほんっとおに寒くて、最後はがたがた震えての観戦になっちゃいました・・・。

闘牛って様式美なんだそうですよ。
古代スペインの時代にはウシを神様に捧げる儀式で、その後ウマの上からウシと闘う騎馬闘牛という形で18世紀に定着。その後とあるトラブルを機に今の地面におりて闘うスタイルになったんだとか。
ある程度のルールとか基礎知識がないとマジでさっぱりわかりません。
多少仕入れていっても私にはかなりわかりませんでした。
一応最初ウシがはいってきてかけまわり、継いで闘牛士(マタドール)がカポーテってやつでウシをあしらいクセをつかみ、次にウマにのったピカドールが出てきてウシの背中をやりで三回つきます(槍が深くささらないように留め具がついてるそうです)、ウマは目隠し耳栓鎧着用困った
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続いてバンデリリェーロって人たちが2本づつ、3回銛をウシの背中につきたてます。
最後にマタドールが再び登場、主催者に挨拶して帽子を肩越しに後ろになげます(この帽子が裏返ると縁起が悪いそうで、人によっては地面にちゃんと置く場合も)。でよくみるムレータという紅い布(すごく重いらしい)で一定時間ウシを交わして、時々見得をきるんだそうで。
最後に剣をかまえてウシの肩胛骨の間を一気に刺してとどめをさします。
たいていウシはすぐ倒れないので助手みたいな人たちがでてきてウシの周りを取り囲むと、ウシはその人達に向かおうとしながら力尽きで朽ち木のように倒れる・・・という流れ。
最後の剣さしが見事だとウシはすぐに倒れるようです。
正直えぐいですよ。まじめにみると。生き物を殺すことを見せる競技ですから。
ただすごい人がすごい盛り上がりで、大騒ぎしてるのでなんとなく勢いで見てしまいました。
死んだ牛はウマに引かれて退場し、すぐに競技場内にあるクレーンもそなえた解体所で解体されて食肉として売られるそうです。
基本的にウシたちはこのために育てられた雄牛たちで、入ってきたときから闘志満々、みるものみんなにケンカ売ってる感じです。ある意味こういう闘牛を育ててる牧場って・・・怖いかも。闘うぞぅみたいな奴らが沢山いるんだもんね・・・。
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バンデリリェーロがウシにはねられた場面もありました

闘牛士は1人2頭相手にするので全部で6回競技が行われます。
結局この日は耳は出ず(上手な競技で審査官の人が白いハンカチを振ると闘牛士に倒したウシの耳がささげられます、耳一枚、耳二枚、しっぽ・・・とグレードアップしていくのだそうですが、ベンタスは厳しいのでしっぽが出ることはまずないとはどこかで読みました)。
二人目のミゲル・アベジャンという人は剣刺し3回も失敗してブーイング、一人目のウセダ・レアルという人は人は剣刺しがキレイでした。3人目のマティアス・テヘラという人がこの日は一番上手で、拍手がいっぱいでてました。2頭目の競技では観客総立ちで白いハンカチも振られました(観客が評価してこいつに耳をやれという評価らしい)。
テヘラって人の演技は素人目にもわかりやすかったのがよかったかな・・・。
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この人がマティアス・テヘラ

途中2回ほどウシが交換になるシーンがあって、1回目のウシはピカドールの演技のあとなんかうやむやに帰って行ったのですが、二回目の時は観客が拍手して総立ちになって銛まで打たれた600キロ超のウシが帰って行きました。何が違ったんだろう。なんで交換になったのだろう・・・。やっぱりわかりません(^ ^;)。
ただウシが生きたまま退場するときは人が下がり白い牛たちが闘牛場に現れるのです。そうすると猛り狂っていたウシがすぐおとなしくなって白い牛たちと退場していくのが不思議でした。
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時々観客の拍手や騒ぎ声でウシが我に返ってきょろきょろしてるところをみると急にかわいそうになっちゃうのですが・・・。
動物愛護系の人が騒ぐのもわかるし、受け付けない人は沢山いると思うんですが、世界にひとつくらいこういう文化は残っていてもいいのかなーと思いました。
こんなに全うに生き物の死を見せつける文化は他にはないように思うので・・・。
だって私たち生き物殺して食べてるんですからね。
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死んだ牛はウマに引かれて退場しますが、
そのときはだいたい客席は全員起立して見送ってました。

終了して外にでると9時半すぎ、でもまだ明るい!
タクシーはとてもつかまりそうになくて、地下鉄でホテルの近くまで戻りました。
1人1.1ユーロだったかな?
地下鉄はキレイで、ちゃんと次の駅はどことアナウンスしてくれるので乗りやすかったです。スリが多いというので警戒はしていましたが、普通に順調にホテルへ帰ってこれました。
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